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信州の鏝絵に見る左官職人の技-9    小川天香の描いた十六羅漢

茅野市にある頼岳寺は、境内から一望できる諏訪湖が鵞鳥(ガチョウ)の姿に似ていることから山門に「鵞湖禅林」の額が掲げられています。住職に来意を告げて本堂へ入れていただきました。

一対の額装された鏝絵が祭壇上の左右に飾られています。

この見事な出来栄えと迫力に圧倒されカメラを構えるのも忘れ、しばし見入ってしまいました。 

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羅漢の一人ひとりの表情が克明に描かれています。手にしている仏具なども写実的ですし、虎も凄まじいばかりの迫力で迫って来ます。

鏝絵は絵筆の替わりに鏝を使い、短時間のうちに漆喰土を塗り重ねて彩色し創り上げますが、小川天香が遺した大作「十六羅漢像」は左官職人の真骨頂といえます。

フレスコ画と比べても全くの遜色を感じさせない日本独自の芸術作品、誇るべき力作といえるのではないでしょうか。

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羅漢とは、 お釈迦様の弟子の中で一切の煩悩を断って修行を完成して悟りをひらいた尊敬するに値する高僧を指し、特に優れた代表的な16人の弟子を十六羅漢といいます。

十六羅漢は涅槃(ねはん)に入ろうとする釈迦から、永く現世にとどまり仏法を護持して衆生を救済せよといわれ、各地で仏法を守り伝えたといいます。

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この鏝絵を描いた小川善彌(号は天香)といい、茅野市の出身で昭和25(1950)年に没しています。

天香は10代で左官になり、上京して今泉善吉に師事。今泉善吉は鏝絵の元祖「伊豆の長八」こと入江長八の高弟です。ですから長八の流れを組む鏝絵作家といえます。

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十六羅漢像は、天香が39歳の大正6(1917)年の作で頼岳寺に奉納したものです。現在、頼岳寺の本堂に扁額として大事に飾られています。

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