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その後、目にした安曇野の屋根瓦-1  鍾馗瓦(その1)

穂高有明にある築100年を超える古民家。昔はこの一帯の農家がそうであったように、2階が蚕室でした。

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玄関の小屋根の左隅に瓦鍾馗が乗っていました。この地域でこれまでに見てきた鍾馗さんとは容姿も違って、筋骨隆々とした体躯で眼光も鋭く、悪霊を寄せつけない堂々とした一品もののようです。

長い年月、屋根に乗っていたこともあり、右手の部分が欠損しています。鍾馗さんは通常、右手に剣を持ちますので、腕の流れからみて刃の先は下を向いていたのでしょうか。

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以前、全国の瓦鍾馗の探訪を続けているkiteさん(愛知県在住)とおとんさん(大阪府)が安曇野地域の探索に訪れたことを書きました。その際、お二人から教わったことがあります。

大棟の一方に鍾馗瓦があった場合、必ず反対側にも回ってみるそうです。そうすると、また別の鍾馗さんがいる場合が多くあるそうです。つまり大棟の両端で対で見張り、悪霊の侵入を防ぐという意味があります。

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右隅側に回ると、やはり、鍾馗さんが乗っていました。こちらも目は鋭く、研ぎすました剣の切っ先を斜め上に向け、疫病といつでも戦える姿勢にいます。

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JR篠ノ井線の田沢駅のすぐ前を国道19号が南北に走っています。そのすぐ近くに古い民家があり、今は無人のようです。その民家の大棟に鍾馗さんがいました。

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ここの反対側にも別の鍾馗さんがいました。

安曇野では、対で乗っている事例はあまり多くありません。対で飾られているのを見たのは、今回掲載している3例のほかに4軒ほどでしょうか。

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豊科中曽根にある鍾馗さんです。右手に剣、左手で捕まえているのは小鬼です。(なぜ小鬼を捕まえているかというのは、こちらを参照ください)

安曇野には、こうした小鬼が登場する鍾馗瓦は、めったにお目にかかれません。kiteさんとおとんさんのお二人は、短い安曇野滞在中に次々と新たな鍾馗瓦を発見しました。そのうちの一つです。

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お二人の話によりますと、関西地方ではお寺の周辺を探すと多くの鍾馗瓦を見つけだすことができるということです。それは悪霊や邪鬼を寄せつけないため鬼瓦を屋根に飾るお寺さんが多く、その霊力は絶大と信じられてきました。

お寺の鬼瓦に撥ねかえされた邪鬼たちは、行き場を変えて近くの民家に入ろうとします。しかし、そんなものが入ってきてはかないません。そこで邪鬼退治の勇将・鍾馗さんの登場となります。鍾馗瓦を屋根上や玄関近くの壁などに飾り、追い払ったり捕まえてもらおうというわけです。

ですから、お寺周辺の民家にはよく見られ、奈良、京都など歴史の古い街で多いということです。お二人は、こうしたことからお寺周辺で見られる鍾馗瓦を「お寺鍾馗」と分類しています。

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しかし、安曇野には、この法則が当てはまりません。 

お寺の近くを見渡しても鍾馗さんを見ることはほとんどありませんし、飾られているのは屋根の上です。家の壁などにくくりつけられるように設置されているのは、まずありません。

「ところ変われば品違う」ではありませんが、どうしてこうも違うのかは分かりません。

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