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安曇野の屋根瓦-25  連載の終わりにあたって

全25回にわたって「安曇野の屋根瓦」をご紹介してきました。掲載を始めて以降も、新たに目にする瓦に出会いました。最後のこの回で、そういった瓦をご紹介します。

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土蔵を改造した豊科の居酒屋さんの屋根に鐘馗がいました。

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筑北村青柳の善光寺街道脇の民家に、風化からか右手の太刀がなくなった鍾馗がいました。

この瓦鍾馗を掲載したブログが縁で、安曇野に鍾馗瓦の探訪に訪れた「kiteさん」(愛知県在住)と「おとんさん」(大阪府在住)のお話では、安曇野の鍾馗さんは全国的にみても瓦職人が手作りした一品ものが多く、多彩な鍾馗さんを見ることができるということです。

土着の瓦職人さんが腕によりをかけ創作した瓦が、代が変わっても大事に受け継がれて大事にされているとも語っています。安曇野に住むものとして、なにか嬉しくなってきます。

お二人が安曇野で探索した鍾馗瓦の記録はこちらです。

kiteさんの「鍾馗をたずねて三千里」と、おとんさんの「鍾馗をさがそう」で、きれいな画像と専門的な考察が楽しめます。

           Photo

豊科の麺やさんの高い屋根に飾り瓦があるのですが、初めは何があるのかよく分かりませんでした。望遠レンズで覗いて恵比寿と大黒が一緒になったものと分かりました。一緒になったものは初めて見ました。

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屋号と一緒になった大黒さんが松本・新村にいました。満面笑みのふくよかな大黒さまの周りに四俵の米俵、「富」が刻まれた大きな打ち出の槌(こづち)、重なり合った六枚の千両小判、そして四個ある芽を出した球根はムカゴ(自然薯のつるの先にできる実)でしょうか。

なかなか手の込んだ作りなのですが、ここまで制作するのならネズミの一匹は欲しかったですね。大黒さまと米俵、ネズミは、切っても切れぬ縁ですので…。

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豊科・新田の裏通りで見かけた堂々と睨みをきかせる鬼面です。

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明科・小泉の通りから奥まったところの民家の屋根にも、立派な表情の鬼がいました。

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筑北村青柳に口を半開きにして、悪霊を寄せつけない風貌の鬼瓦がありました。

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明科・塩川手の祠の屋根にあった蕾状態の蓮瓦です。他の部分が傷んでいて、相当古いものと思われる手びねりの瓦です。

 

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こちらは三郷・住吉の民家で見かけた満開に花弁を広げたものと固い蕾の二輪の蓮の花です。

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明科・木戸簡易郵便局の正面入り口にどっしりと風格さえ感じられる郵便マークの瓦が飾られています。

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豊科・吉野の不動尊堂の文字瓦の上に、枝垂れ桜が咲き誇っていました。

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隣の筑北村(旧本城村)の中心部に民俗資料館があり、そこの鬼瓦に「登記」の文字が刻まれています。

この地域の登記所の跡を資料館として使用しているものでしょう。しっかり保存されています。

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その近くには、明の文字瓦もあります。明朗登記の姿勢を示したのでしょうか。

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JR篠ノ井線・西条駅近くの今は廃業されたガソリンスタンドの一角に屋号を刻んだ大きな瓦が置いてありました。○に本の文字が読み取れます。

瓦職人で、いわゆる「名工」として名を残した方というのは、寡聞にして聞いたことがありません。しかし、安曇野で数多くの瓦を見て来る中で、その職人技といったものにもっとスポットが当たってもいいのではないかと感ずるほど見事な数々の瓦に出会いました。

安曇野とその周辺を隈なく探し歩いたわけでもありませんので、まだまだ見ていない瓦があると思います。

家屋の洋風化が進んでいる生活様式の変化を振り返った時、瓦屋根はいま目にすることができても、この先10年後、20年後はどうでしょうか。

安曇野の生活文化に根ざした屋根瓦の一端を少しでも撮りためて、今後も随時ご覧いただこうかと思います。

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