新雪に残したキツネの足跡

今年の冬は、全国各地で降雪の量が多いようですが、安曇野も例外ではありません。大寒を過ぎてから冷え込みが厳しく、連日のように雪に見舞われています。

昨日も目覚めて外を見ると、新雪が20㎝ほど積り、さらに降り続いています。早朝に自宅の周辺を除雪した後、早めに出勤し駐車場の雪も開店前に掻かなければなりません。

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雪掻きをし始めて間もなくのころです。目の端にうごめくものがあります。視線をやると、キツネです。連日の雪でエサが探せなく、里に下りてきたのでしょうか。

よく見ると、まだ若いキツネのようでやせ細っているようにも見えます。周辺を餌探しするように動き回り、やがて姿を消しました。

手元にカメラがなく姿を撮ることはできなかったのですが、上が新雪に残したキツネの足跡です。

除雪作業は筋肉労働でけっこう辛いのですが、運が良ければふだんは目によることのできない野生小動物たちとこうして遭遇することがあり、雪もまた良しです。

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雪は終日降り続き、除雪しても次々と積り、30㎝ほどになったでしょうか。この日も日中の気温も上がらず、最高気温も-2℃に止まりました。

ハーブスクエアのガーデン入り口に立っているモクレンに、ツララと新雪が付着しました。


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安曇野で幻想的な竹灯篭の灯りが楽しめます

暗闇に浮かぶこの灯り、神秘的な雰囲気をかもし出していませんか?

雪に覆われた安曇野の冬の夜に、幻想的な灯りを燈す「安曇野神竹灯(かみあかり)」の模様です。昨夜(27日)から始まりました。

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冬の安曇野を訪れた宿泊客に、安曇野の冬の夜を温かな灯りで楽しんでもらおうと、旅館やペンションの経営者たちが中心となって今年初めて催したものです。

大分県竹田市で同種のイベントが実施されていて、多くの見物客に感動を与えていることから「冬の安曇野でも」と企画したもので、同市から寄贈された1,500本の竹灯篭を使用しています。

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会場は安曇野市穂高有明の「鐘の鳴る丘集会所」前の広場で、27~29日まで開かれています。

毎日午後5時に点灯しますが、誰でも点灯に参加することができます。

詳しくは、こちらで。


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安曇野の鏝絵-7 火伏せの龍(その4)

昇龍にちなんだ鏝絵をもう少し。

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「龍ではなく鯉ではないか」という勿れ、です。

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確かに鯉が急流を遡っている図ですが、中国の故事に黄河の上流にある龍門の辺りはひときわ流れの激しいところで、下流から登ってきた鯉のほとんどは登るのに往生するといいます。

しかし、努めて登り切ったその鯉はたちまち龍に変身し、天に昇ることができる、という言い伝えがあります。

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豊科真々部の農家蔵にも鯉が描かれています。

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そうです。このような姿の龍に変身するのです。

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「登龍門」のいわれですね。

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こちらの壁にも昇龍が描かれています。

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いずれも安曇野の隣村・山形村で見かけた昇龍です。

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* 安曇野とその周辺で見ることができる鏝絵を「安曇野の鏝絵」として紹介しています。


 


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10種のハーブとスパイスをブレンドした調味料・ハーブソルト

化学調味料を使わず、おいしい料理を食卓にという願いに応え香りや味にこだわったナチュラル調味料をご紹介します。

この調味料の商品名は、「ハーブクッキングソルト」といいます。

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ハーブクッキングソルトは、ハーブとスパイスを各5種類ブレンドし、これに料理の味を調えるためミネラル分豊富なメキシコ産原塩とカルシウムを多く含む沖縄産サンゴマースをミックスしています。

日本人の味覚に合った本格的なテイストを目指す中から生まれた絶妙のブレンドバランスで、料理の素味を引き立て、風味とおいしさが格段に増します。

あらゆるスープの下味に、チキンや魚介類の煮込みに使えるほか、お米を入れて煮込むとおいしいピラフやリゾットができ上がります。ハムエッグや野菜のソテー、ハンバーグに適量降りかけますと、味にコクが増します。

このほか、塩味の感覚をベースに醤油、みりん、ワインなどと組み合わせ、味の調整とバリエーションを広げることができます。

  ハーブクッキングソルト            40g   399円(税込み)

* 〔 ハーブクッキングソルト 〕は、ハーブスクエアで通常販売しているほか、通信販売でも取り扱っています。  詳しくは、TEL 0263(83)7782へお問い合わせください。

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豊富なメニューの丼物が低価格で楽しめる「わたべ亭」

穂高の街中に合って、驚くようなリーズナブル価格で丼物が食べられる「わたべ亭」を紹介します。

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お得感いっぱいの丼物は、昼限定ランチ580円の「日替わり丼定食」です。日替わりですのでメニューは変わりますが、「今日の日替わりは、○○丼です」と教えてくれます。

丼のレパートリーは実に70種類以上といいますので、行くたびに違った丼物が低価格で楽しめます。

この日は、チャーシュの丼定食でした。やや肉厚に切ったチャーシュが細切りのネギ、刻み海苔をまぶして登場。醤油とみりんでまろやかに味付けしたソースがチャーシュによくなじんで、塩辛さはありません。

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他の丼定食のメニューは、もちろんいつでもオーダーできます。日替わり定食と並んで人気があるのが、「串揚げ定食」(下の写真、780円)。串揚げの具材は、産地を吟味した旬の素材を生かしたものを使っています。

定食メニューには、茶碗蒸しやお新香などの小鉢も添えられます。

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定食をオーダーした場合、もう一品欲しいというときは、「ちょこっと○○」が追加できます。唐揚げ、刺身、串揚げ、サラダなど(180~580円)からチョイスできます。これだけランチで食べると、リーズナブル価格とともに満足感いっぱいになるはずです。

わたべ亭の特徴は、築地直送の新鮮な魚介類を常に用意して、客の要望に合わせた創作料理を作ってくれることだといいます。

魚貝、野菜、肉などの豊富で新鮮なネタですばやく料理を仕上げてくれるのは、ふだんからの旺盛な研究心のたまものといえるでしょう。

 

〔 食彩厨房 わたべ亭 〕 安曇野市穂高4361/TEL 0263-82-8410 /営業時間 平日11:30~13:30、17:00~23:00(日・祝日は22:00) /定休日 火曜日

* わたべ亭のアクセスはこちらから。

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安曇野は間断なく雪が降り続きました

21日は、暦の上では1年で最も寒いとされる「大寒」でした。

前日の予報が「今夜から明日にかけ、大雪になるおそれ」と、盛んに伝えていました。

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当たることもあれば肩すかしを食らうことが、ひと冬に何度かあることなので半信半疑で翌朝を迎えます。この日に限って言えば、ずばり予報は的中しました。

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朝起きると、積雪は15㎝ほど。降雪は続き、昼過ぎに一時弱まったものの20㎝を超えました。今冬一番の積雪です。

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雪はこの時期としては珍しく湿った重い雪で、日中の気温も3℃を超えたことから、かなり融けました。

大王わさび農場の一角に故・黒沢明監督がメガホンを取った映画「夢」のロケ現場があり、使用された水車小屋が残っています。

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冷え込みが厳しい時は水車全体が凍りつきますが、この日は回転軸の一部だけが凍りついていました。

しかし、その後も溶けた上に間断なく雪は降り続き、二日連続の冬日となりました。昨日21日になってようやく雪は止み、前日より気温も上がったため、かなりの積雪も消えたのですが…、今日はまた、早朝からの降雪です。

安曇野の冬の風物詩として、コハクチョウの飛来が上げられます。御宝田遊水池など市内3カ所で越冬します。

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初飛来以来、今年で28シーズン目。昨年は久しぶりに1千羽を超えるコハクチョウが訪れました。この冬は、18日現在、932羽が確認されています。

この後もシベリアからの飛来はまだ続き、今月下旬頃にピークを迎えます。

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同じ冬鳥としてやってくるいろいろな種類のカモたちと共存しながら、この冬を過ごします。

御宝田遊水池は広大な氾濫原になっていて、いろいろな野鳥たちが営巣したり、羽を休めたりします。

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四季折々にバードウォッチングが楽しめますが、留鳥のトビが集団で群れを作って止まっているのを見ました。

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視力がすぐれ、上空高くから餌探しをし見つけだすと急降下して獲物を捕えたりしますが、一面雪に覆われるとこれもできないことから、こうして木に群れて雪が消えるのを待っているのでしょうか。

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信州の瓦鍾馗を探して-6  同じ地域内にある“兄弟”鍾馗さん

瓦鍾馗の探索仲間のnaoさんから「東川手で新しい鍾馗さんを見つけました」との情報をいただき、さっそく出かけてきました。

新築した家の小屋根にあった鍾馗さん。一目で「ん~ん、この鍾馗さんは、あの兄弟だな」と、つぶやいてしまいました。

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明科中川手で見つけた下の鍾馗さん(前回掲載)のことです。兄弟ということは生みの親、すなわち制作した鬼師が同じということです。

上と下の鍾馗さん、よく似ていますよね。被っている破帽や顎鬚(あごひげ)、腰紐の位置や裾の流れなどに少しずつの違いはあるもののそっくり似の兄弟です。

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同じように下の2枚も兄弟筋です。同じく東川手の地内にあります。

このように昔の鬼師は、似たものは作ってもそっくり同じものは作らないという気概をもって制作に当たりました。

もちろん制作経験を積むにつれ、作風が徐々に変化することは多くありますが、作者の個性、作風といったものがどこかに残ります。

そうしたことを念頭に比較対象して見ると、また違ったおもしろ味を発見できるのかもしれません。

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これらの兄弟鍾馗が上がっていた家人からの聞き取りのうち、2軒は「少なくとも100年は経っている」とはっきり答えてくれました。ということは鍾馗さんの年齢は、いずれも100歳を越えていることになります。

100年前となると明治の末期になります。当時は物資の運搬も現代とは大きく違い、けっこう重量のある壊れ物の瓦鍾馗を遠くには運べません。

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それと、信州の冬は凍みて仕事ができません。このため瓦屋では、雇用している職人を三州(愛知県三河地方)へ出稼ぎに出していました。

冬期間を除いて、当時の信州の瓦屋が窯焚きをして焼成するのは、6日に一度の割合だったといいます。そうなると、近い集落内の需要に応えるのが精一杯で、販路を広げるということはとうていできません。

ですから、同地域内に同じ鬼師の手による鍾馗さんが見つかるのは、当然と言えば当然なことですし、兄弟鍾馗が近くにあるというのもうなづけるところではないでしょうか。

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メディカルハーブ-23    ローズマリー

ローズマリーの語源は、「海の露」を意味し地中海沿岸の崖に自生していたことから名付けられたといいます。

また、聖母マリアがイエスを抱いて逃避行中、芳香のする白い花が咲く木に青色のマントを掛けて休んだところ、白花は青色に変わったというエピソードも残っています。

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以来、ローズマリーの花色は青色だったのですが、現在は品種改良が進み、ピンク、紫、白花など多彩になっています。

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独特の強い芳香が、身体に活力を与え脳の代謝活性を図るとされ集中力や記憶力の向上に役立つとされます。

関節痛、筋肉痛、食欲不振や軽い吐き気、ガスなどの消化障害にも用いられます。

昇圧作用があることから、血圧が低くて朝がつらい人にもお薦めのハーブです。

◆ 和名     マンネンロウ

◆ 学名     Rosmarinus officinalis 

◆ 主要成分  苦味成分、タンニン、ロズマリン酸、カフェ酸、クロロゲン酸、ゲンクワニン、ルテオリン、カルノシン酸、カルノソール、ロスマノール、ウルソール酸、オレアノール酸、ベルベノン、α-ビネン

◆ 作用     収斂作用、消化液分泌促進作用、消化管平滑筋弛緩作用、駆風効果、殺菌作用、鎮頸作用、利尿作用、発汗促進作用、胆汁分泌促進作用、神経系に対する強壮作用、強心作用、血液循環促進作用、血管壁の強化、昇圧作用、

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安曇野の鏝絵-6   火伏せの龍(その3)

旧南安曇郡梓川村(現松本市)で見た土蔵の鏝絵は、豪華ではありませんがこの漆喰壁を塗った左官職人が、いろいろと趣向を凝らした跡が見られます。  

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上が蔵の全体像です。

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蔵の中心部の模様です。

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丸プレートの台座に描かれているのは、ボタンの花と龍の図柄、雲龍の姿にボタンを被せています。

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蔵窓の下の小枠の中は、波しぶきです。龍と波は火伏せ、防火の意味で用いられる図案です。

そして、隅にもアカンサスの紋様をさり気なく施し心憎いばかりの配置と言えないでしょうか。

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でき上がったころは、アクセントとして群青の色を使って白漆喰との対比の美しさを際立たせていたことでしょう。

年月を経てもいい味を出して見ごたえを感じます。

* 安曇野とその周辺で見ることができる鏝絵を「安曇野の鏝絵」として紹介しています。

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あばれ薬師さま~堀金・中堀

中堀の薬師堂は、常念岳を背に、広々とした田んぼの中にあります。お堂の中には、薬師如来が祀られ、村人たちは「お薬師さま」と呼び、大切にお守りしています。

このお薬師さまは、もともとは筑北村別所の岩殿寺(がんでんじ)に祀られていました。このころのお話です。

          052                          (現在の岩殿寺)

岩殿寺は、北国西街道に面していましたので、お薬師さまの前を大勢の旅人が行き来しました。旅人の中には、旅の無事を祈ってお薬師さまにお参りしていく人もいましたが、素通りしていく人もいました。

このお薬師さま、もともとが短気な性格の神さまでした。お参りしない旅人を見ると、「わたしがこうして祀られていというのに、なぜ、お参りもせずに通り過ぎていくのだ」と、癇癪(かんしゃく)を起こしていました。「ようし、それなら思い知らせてやろう」と、お薬師さまは決心しました。

          047_2 (岩殿寺本堂の前に、馬の全身像を刻んだ珍しい馬頭観音の大きな石像が祀られています)

ちょうどその時、目の前をさっさと通り過ぎていく旅人がいました。お薬師さまは、鋭い形相でその旅人をにらみつけました。すると、旅人は足がもつれてずでーんと転んでしまいました。

しばらくすると、別の旅人も素知らぬ顔で薬師さまの前を通り過ぎました。この旅人は、足をねじってしまい旅を続けられなくなりました。

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     161(近年まで寺社に馬を入れることは禁じられていました=上は長野市戸隠の戸隠神社奥社前の石標、下は三郷・及木の伍社の鳥居前に残る明治期の高札)

次の日は、馬に乗ったまま通り過ぎようとした人がいたので、お薬師さまは「馬に乗ったまま通り過ぎるとは、この礼儀知らずめが」と、いよいよ腹を立て、にらみつけました。

すると、馬は急に前足を高く上げて立ち上がったり、後ろ足を跳ね上げて駆け出したりの大暴れとなりました。その旅人は馬から落ち、手と足を折ってしまいました。

           049                            (岩殿寺の本堂の両脇に二頭の馬が祀られています)

そんなことが、お薬師さまの前であまりにも多く起こるので、村人たちは「岩殿寺のお薬師さまは、あばれ薬師だ」と噂するようになりました。この話を聞いた岩殿寺の和尚さんも困ってしまい、村の役人に相談に行きました。

「かと申して、お薬師さまを罰するわけにもいかぬでなあ」と役人も頭をかかえてしまいました。はてさて、どうしたものかと思案していたところに、中堀の庄屋から「ここのところ、村のあちこちでよくない病が流行って困っています。村を守ってくださるお薬師さまを探しております」と、和尚のところに手紙が来ました。和尚さんは飛び上がって喜び、さっそくお薬師さまを中堀へ移すことにしました。

          031(かっての「あばれ薬師さま」も、中堀に来てからは、穏やかにこの薬師堂で過ごすようになったということです)

お薬師さまをを迎えた中堀の人たちは、大事に祀り、新しいお堂の広場では子どもたちが毎日やって来ては遊びにきました。いっぱい遊んで、夕暮れになると「お薬師さま、今日も一日ありがとね」「お薬師さま、また明日ね」と、お礼をいって帰っていきます。

こうしてお薬師さまは、中堀へ来るようになってから、ただの一度も癇癪を起こすこともなく穏やかに過ごされるようになり、「あばれ薬師」と呼ばれることもなくなりました。

 

               * 『あづみ野 堀金の民話』(あづみ野児童文学会編)を参照しました。

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